タバコのヤニ汚れ
今日のご相談は、ヤニ汚れについて。
ヤニとは植物を燃やした際に発生する油の一種で、
タバコのヤニ以外では
松脂(マツヤニ)があります。
マツヤニは接着剤などで使われるほど粘着力が強く、
なかなか落ちにくいという特徴が似ています。
道路のアスファルトに使われているコールタールも
お仲間。
タバコの煙に含まれているタールは、
空気汚染の代表である「PM2.5」と同じぐらい
細かな粒子のため、
空気中に霧散して壁紙や家具にこびりつきます。
これがヤニ汚れの正体です。
部屋の中にある、
木・スチール・ビニール・繊維・紙・プラスチック
ガラスなどの素材の特徴を考慮して
「ヤニ」を退治しましょう。
ヤニの性質である粘性・油性の弱点は、
アルカリ性洗剤
(住宅用洗剤・洗濯洗剤・重曹・セスキ炭酸ソーダ)
と温度です。
まずは、洗えるモノから
【カーテン・ラグ・マット等】
40℃くらいのお湯で洗濯して干しましょう。
この時、酸素系漂泊剤も同時に入れると、黄ばみ解消になります。
【ガラス・スチール・ビニール・プラスチック】
アルカリ性洗剤をお湯で薄め、
液ダレしない程度に軽く絞ったスポンジを使って
「ヤニ」が付いている面を拭きます。
その後、水拭きして洗剤成分を取り除き、
空拭きをして、完了です。
この方法は、ビニールクロス(壁紙)にも使えますが、
紙製の壁紙には使えないので注意しましょう。
食器に付いた「ヤニ」は、食器用洗剤で落とせます。
次に洗えないモノ
これが一番厄介なモノです。
微小の「ヤニ」が、
木材や繊維の奥深くにまで浸透しているので、
1回で完全に取り除くことは出来ません。
年輪のように層になって染み付いているので、
染み付いていた時間の長さの分、
取り除くのにも時間がかかります。
【柱・木製家具・カーペット】
表面に付いている「ヤニ」を
アルカリ性洗剤を含ませた雑巾で、
雑巾に色がつかなくなるまで拭きます。
さらに、スチームクリーナーを使って、
潜んでいる「ヤニ」を浮き上がらせて拭き取ります。
【紙】
アルカリ性洗剤薄め液を雑巾かスポンジで、
壁紙を痛めないように、
のりを剥がさない程度の水分と力で軽く、
まんべんなくパッティングして洗剤成分を行き渡らせます。
つぎに水で固く絞った雑巾でパッティングして
洗剤成分を取り除きます。
最後に乾いた雑巾でパッティングしながら
水分を出来るだけ取り除きます。
*一度に広い面積をするのではなく、
小さめに範囲を区切って
コツコツと掃除をしていきます。
面倒だからと一気に広い面積を掃除すると、
水分を取り除く前に乾きだし、
その周囲が茶色い輪ジミとなりますので
注意が必要です。
*この方法でも、「ヤニ」と黄ばみは残ります。
完全に除去したいなら
壁紙を張り替えるしかありません。
家族に喫煙者がいるなら、
掃除が簡単なビニールクロスをオススメいたします。
長い時間を掛けて染み付いたタバコの「ヤニ」は、
私たちの暮らしの隅々にまで入り込んでいますが、
洗剤と水で拭くだけで、意外と簡単に落ちます。
こまめな雑巾がけで、「ヤニ」とお別れして下さい。