トコジラミ対策
この時期、カビについで多いご相談が
ゴキブリ、トコジラミなどの害虫対策について。
住宅内に入ってくる害虫は、
3種類の性質を持っています。
■衛生を左右する虫
窓や玄関から入ってくるハエやゴキブリは、
食品に雑菌を付けて
食中毒の原因となることがあります。
ゴキブリは気温30度を超えると繁殖しやすくなります。
どちらも住宅内に入れないようにする対策と、
家庭内で繁殖させない対策が必要です。
■人体に影響をあたえるもの
ダニやトコジラミは
人にかみついて炎症を起こしたり、
アレルギーを起こしたりする危険性があります。
ペットを飼っている家庭では、
犬や猫の皮膚病の原因ともなるでしょう。
蚊は病原菌を持っていることもあるため
注意する必要があります。
ムカデも刺されることで
アレルギーを起こすこともあるため
注意が必要です。
■住宅への被害
白アリが住み着くと、
木造家屋の構造部分を食い荒らし、
住宅の耐震性が下がります。
最近ではイエヒメアリが住宅内で巣をつくり、
家電製品の中にまで巣をつくることがあると
報告されています。
今回はトコジラミの対策について。
“過去の害虫” と呼ばれていた
トコジラミ(南京虫)ですが、
外国人観光客から持ち込まれて、
今や“スーパートコジラミ” へと進化を遂げて
全国各地の観光地、オフィス街、繁華街、公共交通機関など
あらゆる所で繁殖しています。
移動の際にちょっと立ち寄ったお店で
偶発的に荷物に付着したり、
衣類に付着してポケットに侵入したり、
靴紐をつたって靴の中に入り込んだりと
トコジラミの侵入経路は
ごく日常の生活の中にあるのです。
トコジラミの持ち帰りによる繁殖を
予防するためには、
帰宅後の対処がとても重要です。
まず始めに、
普段の出勤時や外出時の手荷物、衣類が
すっぽり入る大きさのプラスチック製のコンテナ
または衣装ケースを用意してください。
フタは無くても大丈夫。
荷物や衣類が入れば高さも必要ありません。
色は半透明や黒よりも水色~青色が、
乳白色の若齢幼虫から茶褐色の成虫まで
良く見えるため早期発見できます。
同様に、
靴専用としてもコンテナを用意してください。
できれば同じ大きさで揃え、
積み重ねて一時保管できるようにすると
場所をとらず完璧です(例 ; 最上段に手荷物、中段に衣類、下段に靴)。
出張や旅行時に備え、
スーツケースを立てたまま入れられる
コンテナがもう一つあると安心です。
帰宅後、
速やかにそれぞれのコンテナに荷物を入れます。
宿泊を伴う出張後や旅行後は特に注意して、
各コンテナに荷物を振り分けて入れた後、
玄関まわりを掃除機がけして
トコジラミの落下逃亡を防ぎます。
これでトコジラミの侵入経路に心当たりが無くとも、
未然に被害を防ぐことができます。
トコジラミは吸血源にほどよく近い、
光の当たらない場所に潜伏します。
極度に光を嫌い、
動きのある落ち着かない場所も好まないので、
掛布団よりも枕に、
枕よりも敷布団に、
敷布団よりもベッド裏
または畳の隙間や絨毯の端に
潜んでいることが多いのです。
おおよそ布団から半径1.5m以内に
大半が潜伏しています。
床面とは限らず壁面や天井も含め、
窓サッシやカーテン、掛け時計やエアコン、
TVやパソコン、本棚や箪笥、巾木やコンセントなど
あらゆる物の隙間に入り込みます。
「ふつう、こんなところに虫なんていないよな…」
というところにトコジラミは潜んでいます。
トコジラミの駆除方法
・加熱
トコジラミの弱点は熱です。
一般的に昆虫類に対しては
摂氏50度以上の高温が効果的です。
また、衣類などは少し高めの
70度ほどのお湯で洗濯するのがお勧めです。
スチーマーを使用することにより、
成虫・幼虫だけでなく卵の駆除も可能です。
・掃除機
トコジラミが発生している場所、
またはその恐れのあるすき間などに対し、
真空掃除機を使って吸引するという方法もあります。
また、床から壁、天井まで、
被害にあった部屋の汚染レベルを
短時間で下げることができます。
ただし、掃除機のパワーが弱いと
吸い込まれたトコジラミが
その中で生存してしまう場合があるので注意が必要です。
・両面テープ
その他、厚手の両面テープも効果的です。
粘着力が強過ぎて
塗装や壁紙などが剥がれそうな時は、
引越し用養生テープを先に貼ってから、
上から重ねるように両面テープを貼ることで
接着面の破損を防ぐことができます。
トコジラミは脚力が弱いため、
厚手の両面テープであれば
即席の粘着トラップとして機能し、
効率的にトコジラミを捕殺することができます。
なお、厚手の両面テープで
ベッドや布団を囲ってバリケードを作ることで、
離れた場所から近づいてくる
トコジラミの侵入を防ぐことができます。
畳に布団を敷いている場合は、
畳の隙間に両面テープを挿し込んでおくと
畳の下からの這い出しを防ぐことができます。
トコジラミの雌成虫を1匹捕殺するだけで、
次世代のトコジラミ最大500匹を
未然に駆除することができます。
「1匹だけ捕まえても意味がない…」などと思わず、
コツコツとトラップを仕掛けてください。