
【コラム】「涼しくなってきたのに、エアコンが臭い!」その原因は「送風運転」と「カビ」にありました。
「涼しくなってきたのに、エアコンが臭い!」その原因は「送風運転」と「カビ」にありました。
夏のままの設定温度(27度)なのに、外気温が下がって23度前後になると、エアコンから嫌なニオイがするというご相談が増えています。
なぜ、涼しくなるとエアコンが臭い出すのでしょうか?
そのメカニズムと、根本的な解決策について解説します。
涼しくなるとエアコンが臭くなる!その不思議な原因
冷房を使っているのに、外の気温が下がると臭くなる。これは、エアコンの運転の仕組みに隠された「ある現象」が原因です。
原因1:冷房が「送風運転」に切り替わっているから
猛暑の時期は、設定温度27度に対して外気温が高いため、エアコンはフルパワーで冷房運転を続け、結露水(水滴)が発生し続けます。
しかし、外気温が23度まで下がると、設定温度27度との差が小さくなります。このとき、エアコンは目標温度を維持するために冷房運転をストップし、冷房機能を使わない送風運転に切り替わることが多くなります。
原因2:送風によって内部の「カビのニオイ」が放出される
送風運転に切り替わると、今まで冷房で発生していた結露水が蒸発し始めます(洗濯物の生乾き臭に似ています)。この蒸発する水と一緒に、熱交換器(アルミのフィン)やファンにこびりついていたカビやホコリのニオイ成分が、そのまま部屋中に放出されてしまうのです。
夏の間、カビは結露水によって「濡れた状態」になっており、ニオイが抑えられていました。しかし、送風運転で「乾燥し始める」と、一気にニオイが強くなる傾向があります。これが「涼しくなってきたのにエアコンが臭い」と感じる原因です。
応急処置を試してもニオイが消えないなら…
「臭くなったら設定温度を極端に下げるといい」という話を聞いて、一時的にニオイが消えることもあります。これは、設定温度を16度など最低温度にすることで、エアコン内部に再び大量の結露水を発生させ、カビのニオイ成分を水で洗い流そうとする応急処置です。
しかし、この方法もあくまで一時的なものです。エアコン内部に長期間蓄積されたカビやホコリは、水で流しきれるほど簡単には落ちません。
ニオイの根本原因は、ファンや熱交換器の奥深くに繁殖したカビや雑菌。これらは、ご家庭でできるフィルター掃除や吹き出し口の拭き掃除では、手が届かない場所です。
【結論】ニオイが続くなら「徹底的な分解洗浄」が必要です
「涼しくなったら臭くなる」という状況は、エアコン内部の汚れが限界に達しているサインです。
エアコンのニオイは不快なだけでなく、カビの胞子が部屋中に拡散され、アレルギーやぜんそくの原因となるリスクもあります。特に小さなお子様やご高齢の方がいるご家庭では、注意が必要です。
ニオイを根本から断ち切り、清潔で健康的な空気を取り戻すためには、プロによるエアコンクリーニング(分解洗浄)が最も効果的です。
専門業者は、エアコンを細かく分解し、強力な洗浄剤と高圧洗浄機を使って、手の届かない熱交換器やファンにこびりついたカビやホコリを徹底的に洗い流します。
あなたのエアコン、チェックリスト
- フィルター掃除をしてもニオイが消えない
- 冷房から送風に切り替わった時に特に臭い
- 3年以上プロのクリーニングをしていない
- 運転を始めると「生乾きの雑巾のような臭い」がする
一つでも当てはまったら、本格的な冬を迎える前に、エアコンクリーニングをご検討ください。
エアコンをきれいに保ち、快適な空気で過ごしましょう!