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古民家の掃除

今回のご相談は、古民家の掃除。

 

古民家とは、古い日本の伝統的な建築工法で建てられた建物で

具体的な定義というものはないそうです。

 

国の文化財登録制度で、

登録することができるのは50年以上経った建築物が対象になっています。

 

古民家の魅力のひとつに藁ぶきや茅ぶきの屋根があります。

世界遺産にも登録されている、岐阜県の白川郷にある建物は、

茅ぶき屋根が特徴的です。

茅ぶき屋根はさすがに限られたとこでしか見ることができませんが、

瓦屋根の家は今でも多く残っています。

 

壁材には土が使われています。

土壁は断熱性や防火性、調湿性に優れています。

 

床は畳や無垢材。

日本家屋では床というと畳が主流でした。

畳には調湿性に加え、音を吸収してくれる効果もあります。

また、廊下部分には無垢材が使用され、こちらも調湿性があります。

天然無垢材の床は年月を経るごとにどんどん味が出てくるのも特徴です。

 

部屋の仕切りにはふすま。

ふすまで区切られた昔の家はふすまを取り払うことで

宴会ができるような大部屋に変化したり、

逆に細かく区切ることで小さな部屋をいくつも作ったりすることができました。

 

障子で光を調節。

障子は部屋に明るさを残しながらも和紙によって適度に直射日光をやわらげてくれます。

大きく張り出した軒の出は夏の日差しを遮り、

冬は建物の奥まで日の光を届ける、

日本の気候風土に合った合理的な構造になっています。

 

これらたくさんの先人の知恵の結晶が古民家なのです。

 

そんな古民家の柱や梁・天井などの木部は、

当然長年の生活により蓄積した汚れやホコリが付着しています。

 

ホコリが落ちるので大掃除の基本は

上部から手を付けていきます。

 

天井の掃除には天井払い が便利。

 

梁、柱

梁の上にはかなりの量の埃が溜まっています。

埃を落とした後、水拭きをしましょう。

埃落としには雑巾での水拭きやサンドペーパーで拭き取るほか、

天井払いやサンダーを使うのも便利です。

 

床は一般の住宅と同じく、埃をとって水拭きします。

仕上げには蜜蝋ワックスをかけるのがおすすめです。

 

 

古民家の掃除は屋根裏や高い梁など、高所の作業には危険も伴いますので、

ご自身では難しい場合はプロに相談するものよろしいかと思います。