洗濯機の黒カビ
この時期に多いご相談は、
エアコンの次に洗濯機のカビです。
洗濯槽に黒カビが生え易いのは、
黒カビとって快適な生育条件が揃っているからです。
それらの好条件をなくしてやれば、
黒カビを減らすことができます。
カビは生き物なので、
生きてゆくためにエサが必要です。
以下のような物はすべて黒カビのエサになります。
・洗濯時に溶け残った石鹸や洗剤
・酸性石鹸
※石鹸カスの一種。
汚れに対して石鹸や洗剤が極端に不足したときにできる
ネトネトした物質
・金属石鹸
※石鹸カスの一種。
石鹸と水中のミネラル分が反応してできる粉末状の物質
・服に付いていた食べ残しなど
カビは相対湿度75~100%でよく増えます。
洗濯後に洗濯槽に残る程度の水気は、
カビの繁殖にとても都合がよいのです。
洗濯機のフタを閉めたままにする、
汚れ物を洗濯槽に溜めておく等も
洗濯槽を湿気させる一因です。
カビが繁殖しやすい温度は20~30℃。
外気温がこの温度帯になりやすい
春~秋が最も要注意です。
しかし、冬でも油断はできません。
気温5℃以下でも成長する菌類もいます。
家の気密性が良くなり、
昔より洗濯機置き場の気温が上がっていることも
カビの繁殖に好都合です。
洗濯機の構造自体が
黒カビの繁殖に適しています。
洗濯槽は二重構造になっていることが殆ど。
その二重のすき間に湿気や栄養分が溜まりやすく、
また風通しも悪いのでカビが繁殖しやいのです。
黒カビ予防のためにできること
・洗う前に衣類を点検。
服に付いている食べ物の欠片等を取り除く。
・石鹸や洗剤の溶け残りを無くす。
石鹸カス(金属石鹸や酸性石鹸)を
残さないようにする。
・汚れに対して充分な量の石鹸や洗剤を使い、
適切な水温でよく溶かしてから洗濯する。
濯ぎも十分に行う。
・アルカリ剤主体の洗濯法を取り入れる。
など。
カビは、
相対湿度65%程度より繁殖スピードが落ち始め、
55%になるとほとんど増えなくなります。
洗濯が終わったら、
洗濯機のフタを開けて
湿気がこもらないようにしましょう。
乾燥機能を定期的に使うのも効果的でしょう。
熱を使わない簡易乾燥機能でも
カビ防止に効果があります。
また、
洗濯槽内の温度が上がる乾燥機能の活用も
効果的です。
カビは37度以上だとあまり成長できず、
それ以上だと死んでしまうものも多いとされます。
洗濯槽内が高温になると湿気が飛ぶので、
その点でも効果的です。
大前提として、
洗濯槽からカビを恒久的に駆逐する事はできません。
カビの繁殖しやすい温度帯は
人間が過ごしやすい温度帯でもあり、
また、
カビの好む「水気」を洗濯機から切り離すことも
できない為です。
普段からカビを生やさないよう気を付け
定期的な洗濯槽掃除を心がけましょう。