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エアコン ドレンホースから水がでない

今日のご相談はエアコンのドレンホースから水が出なくなった、

というもの。

 

 

冷房・除湿運転時、ドレンホースから水が出ない場合がありますが、

お部屋が冷えていれば、故障ではありません。

 

 

ドレンホースから出る水は、 

お部屋の空気中に含まれる水蒸気が水になったもの(結露水)です。

 

エアコン運転時は、エアコン本体内にお部屋の空気を取り込みます。

冷房時には、エアコン本体の中の熱交換器が冷たくなり、

取り込まれた空気を急激に冷やします。

空気中に含まれていた水分が水滴になり、

熱交換器(アルミフィン)に付着(結露)します。

冷たいコップの周りに水滴がつくのと同じ現象です。 

結露水は、水受け皿(ドレンパン)からドレンホースを通って室外に排出されます。

 

お部屋の空気中に含まれる水分量は、

環境(室内外の温度、湿度、お部屋の気密・断熱性など)により異なります。

そのため、結露水が大量に出たり、まったく出なかったりします。

 

ドレンホースからの排水は「冷房」や「除湿」運転のみ生じます。

 

また、冷房、除湿運転開始直後は排水されません。

ドレンホースからの排水はエアコンをつけてから

20~30分後になることが多いので、

エアコン動作直後はドレンホースからの排水がなくても故障ではありません。

特に、ドレンホースが長い(室内機から室外機までの距離が長い)ような場合は

エアコンを作動させてからしばらく待たないとドレンホースから水が出てきませんので、

しばらく待ってみて、水が出始めれば正常に運転していると判断できます。

 

なお、

比較的涼しい時期(春や秋)はドレン排水量はかなり少なくなります。

室温が設定温度付近になっている場合、

エアコンは室外機の中にある圧縮機に

「もう部屋を冷やさくなくていいよ」という司令を送り、

運転を停止させます。

圧縮機が停止すると室内機内部にある熱交換器が冷えなくなりますので、

それに伴って熱交換器で発生する結露の量も少なくなります。

このような場合は、エアコンの設定温度を低めに設定し直し、

20~30分後にドレンホースからの排水量が増えたかどうかを確認することで

エアコンの故障の有無を判断することができます。

 

 

故障の場合の主な原因は大きく分けて3つあります。

 

・冷媒ガス漏れてしまっているケース

ルームエアコンの配管内には冷媒ガスが封入されています。

何らかの理由でこの冷媒ガスが漏れて少なくなってしまった場合、

室内機内部にある熱交換器が異常冷却されてしまい、

結露水が凍って霜や氷になることがあります。

通常であれば熱交換器に付いた結露水は

下に流れてドレンパンに落ち、

その後ドレンホースから室外に排出されることになるのですが、

熱交換器部分が異常冷却されてしまうと

結露水が熱交換器部分で凍ってしまい、流れていかなくなります。

その結果、冷房運転中はドレンホースから水が出て来ないという症状が発生します。

この場合、エアコンをOFFした際に熱交換器に付いた霜が溶け出してくるため、

エアコン停止後にドレンホースから排水がある場合もあります。

冷媒ガスが抜けてしまうとエアコンの効きも悪くなっているはずですので、

エアコンの効きが悪くて、

ドレンホースからの排水もない(エアコン停止後に排水される)という場合は、

冷媒ガス漏れが疑われます。

 

・電源不良

エアコンはリモコンは動作していても

本体が故障して電源が入らないということがあります。

リモコン操作後、

室内機の電源ランプが点灯するかどうか確認してみてください。

この他に、室内機の電源はついて吹出口から風が出ているにも関わらず、

室外機の方が故障して動かなくなってしまっていることもあります。

室内機の電源が入ったことが確認できたら、

室外機の送風ファンやコンプレッサーがちゃんと回りだしたか確認してみてください。

 

・排水経路の詰まりなど

エアコンの排水経路のどこかで詰まりなどが発生してしまった場合、

ドレンホースから水が出なくなることがあります。

本格的にドレンホースが詰まってしまうと

行き場を失った水がエアコン室内機から漏れてくる場合があります。

エアコンの吹出口や本体底面などから

連続的にポタポタと水が漏れてくるのが特徴です。

ドレンホースから水が出なくなり、

その後室内機から水が漏れてきたという場合は、

ドレンホースなどの排水経路のつまりを疑ってみましょう。

例えば、ドレンホースの先端に植木鉢が置かれていたり、

ドレンホースの先端が土の中に埋もれているような場合、

結露水がうまく排水されず、

行き場を失った水が室内機側で溢れ出してきます。

この場合、ドレンホースの先端に置かれているものを移動させ、

水が流れ出てきたら修理完了です。

 

この他にも、

エアコン内部の冷却フィンなどについたカビやホコリが

ドレンパンの上に落ちてドレンホースに流れていき、その中でへばり付いてしまうと、

結露水の流れが悪くなってドレンホースから水が出てこなくなり、

室内機本体から水漏れが発生します。

 

また、ドレンホースのつまりは、

室外側のドレンホース出口から侵入してきた虫が

原因で発生することもあります。

エアコンのドレンホースは地面から5~10cm程度浮かせて設置することが

推奨(メーカーの据付工事説明書など)されています。

ドレンホースの先端が地面に垂れた状態で設置されていると

虫が侵入しやすくなります。

なお、ドレンホースの先端に専用のキャップや目の荒いネットを設置しておけば、

詰まりの原因となる虫が入り込めなくなりますので、

ドレンホース詰まりの予防になります。